第二十一回文学フリマ東京に出展します

新作のお知らせです。

魔法音快ゴシックライブ!告知1

♪♪♪ Introduction ♪♪♪

 総会長は縁あってか、私こと宮代藍凛のクラスメイトなのだ。
 おっとりとして、話し方も優しく柔らかくて、お嬢様の見本のような人だ。
 艷やかな長い黒髪の風貌に、育ちの良さが伺える気品を持ち、大和撫子とは、こういう人のためにある言葉だと思った。
 そんな総会長とは同じクラスでありながら、あまり会話をしないんだけれど、先日たまたま会話をする機会があった。
「宮代さん、歌うのがご趣味?」
「え? えぇ、まぁ、そうだけど……」
 総会長に突然話しかけられて、私は困惑した。しかも誰から聞いたのか、私の趣味について知っていた。
「どんな歌を歌うの?」
「どんなっていうと……」
「聖歌とか、演歌とか、歌謡曲とか?」
「うーん」
 私は答えに困った。私がもっぱら歌うのは『アニソン』なのだ。最近のアニソンには演歌っぽいのもあるので、演歌も歌うって答えられるんだけれど、曲名とか詳細を聞かれると恥ずかしい。
「多すぎて、ぱっと浮かばない感じ?」
「え、ええ。そんな感じ」
「やっぱり、一万六百二十九曲も歌えたら、ジャンルなんて概念もたないわよね」
「どうしてそれ知ってるの!?」
「あら、これって内緒だった? 岡田さんから教えてもらったの」
「ああっ! 知られると面倒だから、あまり広めないでって言ったのに!」
「……迷惑だった?」
「あ、いや、迷惑だなんて。ちょっと面倒だなぁって」
「どうして?」
「ぅ……それは……全部アニソンだから」
「……」
 総会長は唖然として、それから鼻で笑う音が聞こえた。
「だから教えたくなかったのに! おかしい!?」
「いえ。アニソンも立派な趣味だと思うわよ」
「だったら、なんで笑ったの?」
「恥ずかしそうに話す宮代さんが面白くて。耳まで真っ赤になってるんだもの」
「えっ、うそ!?」
 慌てて耳たぶに両手を当てると、見なくて分かるくらい熱くなっていた。
「宮代さんが、どういう人か、だいぶ解った」
「解らなくていいよ! でも、どうして私のことを?」
「なんとなく気になったから」
「総会長ともあろう人が、私のような一般生徒が気になるの?」
「一応、総会長ってことになってるけど、実際は何もしてないお飾りよ。実務は統括上級副会長が取り仕切ってるし」
「お飾りだなんて、謙遜しなくても」
「謙遜とかじゃなく、本当にそうなのよ。あ、でも……」
「でも?」
「一度だけ、総会長権限とやらを使わせてもらったわ」
「へぇ、何をやったの?」
「ナ・イ・ショ。近いうちに判るわ」
 この時、私は総会長が使ったという権限が、まさか自分に関わってるなんて夢にも思わなかった。
 学院祭での『あの事件』が発覚するまで。


2015年11月23日(月・祝)開催の第二十一回文学フリマ東京に出展します。
新作は、オリジナル小説を予定しています。
詳細については、当日までに不定期で随時掲載していきます。
なお、上記のIntroductionは本文ではありません。
『あの事件』が発覚してスタートです。お楽しみに!

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